転倒ゼロへの取り組みの次は「転んでも軽傷」な環境づくり
転倒の話。
医療介護に関わる人ならどんだけ危険なことかが身にしみている、「高齢者の転倒」。
転んでも骨折を予防できる床素材があるみたいですよ。
”転んだ時だけ柔らかくなる床「ころやわ」”
(株)Magic Shields(浜松市中区)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/202205/574875.html?n_cid=nbpnmo_mled_nhc
離れた部屋から聞こえるドスンッバタンッ
イヤだよねぇ…
音が聞こえた瞬間に
- こけた?てか落ちた?!
- 骨折?頭打った??
- センサーなったっけ?
- 今対応しているのを切り上げて、すぐ訪室して身体観察して…
- あードクター報告しなきゃ
- そのあと検査いって申送って
- 今日の夜勤リーダーは、○○さんか…何言われるんだろ
- あ、インシデント書かなきゃ
- うげぇえぇえぇ残業ぉおぉぉ
- ファッキンインシデントおぉオォー!
くらいの感情やイベントが浮かぶもんねぇ…
高齢者は悪くない。
30そこらの私らでも転ぶもん。
憎いのは転倒によって起こる様々な感情と、骨折なんかが起きたときの「自分が見てなかったばっかりに」という後悔。
こちらの漫画で転倒について現場目線でわかりやすく解説されています。
最後でなすさんが叫んでいる
「全ての床がマシュマロかゼリーになればいい!」
は、転倒インシデントを経験した全ての人の心を代弁していると思います。
ほいで、冒頭の床素材に話は戻りますが。
その「全ての床をマシュマロ化」にかなり近づく素材のようです。
普段はなんの変哲もない、硬いフロア素材。
だけど、転倒などの強い衝撃を加えたときだけ柔らかく組織が変形することで、骨折のリスクが激減します。
検査によると大腿骨骨折が起きる圧力を下回るとのこと。すげぇ。
片栗粉を溶いた水に衝撃を与えると一瞬固まる現象あるけど、あれの逆ととらえればいいのかな。
あくまでイメージですよ。
ワンセット約6万円なので全ての床とはいかないだろうけど、センサー部屋ならぬ「転倒部屋」として転倒リスクの高い人が入る部屋から導入されれば、患者本人にも関わる介護者医療者全てにも幸せな未来になるんじゃないかな。
この素材にはオートバイ車体の技術が活かされているようで、その技術とは「上手に車体を壊すとこ」。
オートバイレースで事故が起きたときの衝撃を、車体をうまいこと崩して逃がすんですって。
事故をゼロに近づける技術ももちろんあるだろうけど、人間が運転している限り完全なゼロは難しい。
なので起きてしまった事故の影響を小さく抑える方法が考え出されたんでしょうね。
この考え方は人生の送り方にも活かしていけるんじゃないかとも思いました。
失敗しないようにすることもいいけど、失敗が起きたときにどう対応するか、そこから何を学ぶのかも大切なんじゃないか。
完全な人間はいないので、転んだときにいかに軽傷におさえるか、転んだ経験をどう次に活かすかは心に留めておきたいものです。
だから転倒が起きたときに担当だった職員を詰めるのはやめよ?
レポートももっとかんたんなものにしよ?ね?